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中西先生「戦略経営デザイン論講座」第17回目 受講レポート(1)

2013年1月15日

2013年1月15日(火)、第17回戦略経営デザイン論講座が開催されました。
受講生の谷口さんより、レポートが届きました!

作成者:
谷口 大介(不動産業)

社名相談の依頼からのスタートであったが、ビジュアルアイデンテティ、事業開発、理念開発とCIを展開していった。
生産機関と経済機関というものに加え、環境機関・人間機関・文化機関を目指し、存在価値オンリーワン企業「尊敬に値する企業」への変革に取り組んだ。

■事業開発がINAXのCIの一番の根幹である、事業開発型CI

INAXのトイレ事業は、当時の嘉悦副社長の「高級ホテル等で使われるようになりたい」
という意外な一言から始まった。
トイレ事業に打って出るには、当時シェア80%を占めるTOTOにどう対応するか?が
不可欠であった。

INAXセルフコントラストマーケティングを実施し、

  1. TOTOの作っていない先端性の高い高級志向の商品、
  2. 建築家等のオピニオンリーダーが使おうと思う商品(3SD:サードスペースデザインとNDP:個性的商品)
  3. 次代の価値を創り出す力を持つ

を狙っていくことを決める。

どうすれば「客の逆指名」を得られるか?を考え、方針として「トイレを日向者に」を掲げる。
従来のプロダクトデザインが「素材」「製品」「空間環境」に止まるのに対し、
第3空間のデザインはそこに「暮らし方」「社会的価値」を加えるものである。

イギリスのデザイナー、ケネス。
INAX従来のタイルモジュールを活かせる(別途加工のいらない)バスの開発。
男女雇用機会均等法による男女別々トイレの普及へのニーズ対応として、
女子トイレには三面鏡・個人ロッカー設置を提案、
男子トイレには飛び散り防止便器の開発提案を実施。

10ヶ国30メーカーの外国商品輸入販売を開始。都内に300坪のショールームが必要となった。
当時はバブル期でなかなか地上階のスペースを見つけることができなかった。
アークヒルズ37階ホールを借りることを決めた。
1985年にOPENした、トイレ・バスに関する世界で最初で最大のショールームである。
後にハトバスが停まるほどの名所となっていく。

TOTOのシェア80%、海外メーカーはわずか5%。
なぜか?と調べていくと、日本の建築基準法では銅製の配管を認めていなかった。
当時の海外商品のほとんどが銅製配管を使用。
INAXは、海外商品を輸入し配管を日本でやりなおし、販売した。
これにより海外商品を日本市場に広めることに成功、
また配管を日本でやりかえることで後のメンテナンスもしやすくなった。

世の中でもっとも酷いトイレは?⇒公園のトイレであろう。
INAXは公園のトイレのイメージを変えるべく、とこなめトイレパークをつくり、市民に開放。
話題となり、そのうち自治体関係者も見学に来だし、行政として公園のトイレの改修が進んでいくこととなる。

結果、CI導入より10年でマーケットは3倍となった中で、INAXのシェアは30%まで伸びた。
就職人気ランキングも200位から51位に上昇。
INAXは、部材型製造業~販売型製造業~サービス型製造業~価値創造型製造業へと変革していったと言える。
同時にLocal企業~National企業~International企業へと変わっていったと言える。

理念開発。
INAXほど経営者が理念に拘り、社内への理念浸透に努めた企業は他にない。
「どこにでもあるもの」ではなく「そこ(INAX)にしかないもの」を求める。⇒INAX5
社長が管理職を集めて2時間の演説を行う熱心ぶり。

INAX DI・SI戦略開発基本コンセプト
INAXデザイン、INAXサービスの特徴(個性)は「技・知・感」の戦略的バランスにある。
ところが、SIにはいろうとしたところで、INAXとPAOSの契約は切れる。

企業「永遠」三軸

  1. 時代と共にある
  2. 時代の先を見通す目を持つ
  3. 次代の価値を創り出す力を持つ

企業「成長」三軸

  1. 期待を持って見られる
  2. 憧れを持って見られる
  3. 尊敬に値する企業存在になる