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中西先生「戦略経営デザイン論講座」第12回目 受講レポート(1)

2012年10月30日

2012年10月30日(火)、第12回戦略経営デザイン論講座が開催されました。
受講生のHさんより、今回のテーマである、”価値創造成果を、時代をこえて「成功実証事例」から学ぶ”についてのレポートをまとめていただきました!

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作成者:M/H(建設業)

前段で、この講座は寺子屋を目指そうとしていること。
そして、前週は、卒業生が経験を踏まえた内容で講義をした。
「笑顔は世界のパスポート」
小売業で発展している会社は、笑顔を習い本業に活かす。
と、言うような具合で今夜の講義内容へと突入。

今回は、以下のディレクション(経営方針)事例と神奈川県のCI導入事例が紹介された。

ディレクション事例として以下の4社を。

セキスイハイム
「ハイムズ建てる家から生産する家へ」
松屋銀座
「都心型百貨店商法」
INAX
「トイレを日蔭者から日向者に」

  

Benesse
「情報化・国際化・文化化」

縷々各社の方針説明があり、その中でも松屋銀座の経営方針と策定仮設を紹介。

  • 一品性の価値
  • 競合店との差別イメージ創出
  • 先進性の具体化
  • 集客第一主義
    →顧客第一主義は大切なことであるが、来ないことには物は売れない。

次来る時に、兄弟や友人を引き連れてきてくれるような環境づくりがもっとも大切である。
既成概念を外せ、と。

  • 主軸をずらす
  • 逆転発想
  • 奇常識
  • 単位入替

  

松屋のロゴマークを考える/いいデザインで心を引き付ける/紙袋のデザインで集客力を持たせる など、魅力溢れる百貨店へと成長。
斜交いからモノを見ることは、気が付かないものに気付く近道であると思う。

企業「成長」の三軸

  • 1.期待を持って見られる。
  • 2.憧れを持って見られる。
  • 3.尊敬に値する企業存在になる。

 

<企業紹介>
ブリヂストン:創業者 石橋 正二郎
国立近代美術館や故郷である、福岡の文化センターの建設・寄贈、文化や教育の発展に尽力をされた御仁。
1920年代 わらじの代替品として耐久性に勝るゴム底の地下足袋を考案。
社是『最高の品質で社会に貢献』(1968年制定)→モノづくり企業においてこれ以上の言葉はない、と。

情報化社会ではイメージが半歩か一歩先を先行する。物的が後からついていく。
また、“人柄” “専門技術・知識” “語学力”を挙げ、これらのことから、特に「人柄」が一番大切であると言うこと。

余談ですが、CI導入の提案をされる中で、「オートリゾート構想」(時代は車社会が主流となり、オートキャンプが流行ると)の話を進言されたようですが、社内で否決。
後にすごい事業になったのだが、気付いた時には後の祭りと化してした。
と、その当時の役員も後悔されたと言うエピソードも。

二つ目の事例紹介
~神奈川県KIプロジェクト~(KIとは、神奈川のアイデンティティーと言う略)
 
1975年から1995年 5期20年務めた当時の神奈川県知事 長洲 一二(ながす かずじ)氏が、全国の役所で初めてCIを導入。
1981年から1991年にかけ、体制から基本構想・応用デザインなどを経て、職員の管理研修やツールの策定に取り組まれた、神奈川県では後世に名を残された御仁。

当時の神奈川は、埼玉や千葉といった東京を中心とする衛星都市的立場であって、東京に住めない人が一時的に暮らす街として選択されるくらいであったらしい。
故郷でもなく、永住したいという人はかなり少なかったようだ。
その街を何とか住みよい街に変えたい、行政と経済活性効果、そして住民がより良いトライアングルで結ばれ、永住したいと思わせる県にするために、長洲知事はC Iを断行されたのであった。

と言うことで、初めて中西先生が県でプレゼンをされる貴重な映像を視聴。

映像では、知事をはじめ、副知事、他関係する役人がずらっと列席する中、先生の挨拶から始まり今回の企画内容を説明。
庁舎内の模型や今すぐにでも使用できそうなサンプルを用い、プレゼンをなさる姿を拝見することができた。
私が思ったことは、「どうせ役所の人間だから反対意見が多く、なかなか決められない役所体質そのものか」と思っていましたが、知事の強い信念による牽引が10年の歳を経てようやく導入に結びついたことに驚きを覚えた。
映像時間は約30分弱ではありましたが、費やした時間は相当なものであるに違いありませんし、どこの企業も同じだとは思いますが、その会社のコンセプト、企画から構想、そして導入に至るまで、芯を取る人が重要な役割を果たし、最後はリーダーシップの強い想いが成功に結び付くカギであると改めて感じさせられた内容であった。
何でもそうであるが、想わないと実現しない、より強く想うことで実現が可能になると言うことである。
これから終盤に向かい、先生が数々手がけられた企業事例のお話をますますご期待申し上げます。