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中西先生「戦略経営デザイン論講座」中間発表会(第8回)開催しました!

2012年8月29日

 2012年8月2日、『戦略経営デザイン論講座』の中間発表会が行われました。
 梅田MAGで開講中のビジネス経営セミナーでは、両講座ともにチーム別に与えられた課題について考察し、プレゼンテーションを行うカリキュラムとなっています。

 中西元男先生より6月14日に課題が発表されてから、各チーム内はSNSでディスカッションを行ったり、仕事帰り・休日を利用してミーティングを重ねたり、活発に議論を重ねて本日の発表会を迎えました。毎週3時間ものミーティングを重ねてきたチームもあったそうです。
 プレゼンの方法も考察の仕方も、全て受講生に判断を委ねる形で進められました。そのため、他のチームがどのように進めているのか、どんな形でプレゼンするのかは当日まで全くわからない状態の中、ほどよい緊張感を漂よわせつつ、発表会がスタートしました。
 当日の様子を梅田MAG事務局のスタッフがレポート致します。
 中間発表会のお題は「新・日本人の常識」がテーマでした。受講者のプレゼンテーションが始まる前に、中西先生から「どうしてこのテーマに決めたのか」という説明がありました。
 日本の義務教育は“常識”を教えることからスタートしましたが、現在は学力競争が中心となり、常識や道徳を教える時間はどんどん減ってきている状態です。
 昔、宣教師・ペリーが日本に来日した際、日本人の行いの良さに大変驚き、日本人は奇妙で素晴らしい民族であると文章に残したといいます。しかし、時代とともに日本を取り巻く環境も大きく変化しています。
 そのような社会で日本人はどのように個別化するか − それを考察することが、今回のテーマ「新・日本人の常識」という課題を出された理由であると説明されました。
 そして、いよいよプレゼンテーションタイムがスタート! 各チーム持ち時間は発表タイムが15分・質疑応答が5分で約20分間。
 どのチームも1ヶ月半みっちり練り上げたことが伝わってくるプレゼンテーションでした。
 下記、トップバッターのAチームから順番に、プレゼンテーションの内容をお届けいたします。
■Aチーム
 Aチームはトップバッターで緊張したのではないかと思いますが、それを感じさせない堂々とした発表で、とても良い流れを作ってくれました。

 
 日本には、例えば「礼節・道義・助け合いの精神」といった世界に認められる素晴らしい技術・文化がある。
 しかし、第二次世界大戦の敗戦以降、GHQによる教育がなされ、「公」より「個」・「徳」より「金」・「和」より「競争」という概念が日本に広まってきた。こうした日本人の本質に合わない教育が自信喪失状態を生んでいるのではないか? だからと言って、ただ昔に戻ればいいかというと、そうではなく、昔の良さを残しながらも時代にあわせた変化をする必要がある。
 そこでAチームでは、「個から地球へ」「金から貢献へ」「競争から絆へ」という3つのキーワードを提案。日本人の高度な精神に誇りを持ち、それを日本だけでなく世界に発信していくということを提案する。

■Bチーム
 パワーポイントを使ったプレゼン以外に、その内容を雑誌形式にしたパンフレットも配布し、見せ方にも工夫を凝らしていました。
 開始前にiPadとプロジェクタの接続がうまくいかないプチトラブルもありましたが、無事にプレゼン終了!

 現代の日本人が失った常識として「人間関係(地域)」・「公徳心(自己中心)」・「日本人の自信と誇り」などが挙げられた。こうした現状に対して、個人が明日のために出来ることをしようという、3つの提案が挙げられた。
1,町内親戚化を作る
2,社会貢献できる仕組み
3,学び・発見・体験
 “常識”は国や時代、そして世代によって変わるものであり、はっきりと定義できるものではないが、いわゆる“日本人らしさ”を考えると、礼儀や協調といったいい面もあるが、消極的や集団的多数といった悪いところも挙げられる。
 “「常識」から「良識」へ、今ある常識をリファインしよう。

■Cグループ
 男女様々な年代が揃ったCチームは、チーム名を「チーム・ジェネレーションギャップ」と命名。
 プレゼン前に各自が自己紹介を行い、それぞれが考える「日本人らしさ」を表す言葉を述べるところからプレゼンがスタートしました。
 
 テーマである「常識」という言葉を、誰にでもイメージしやすい「常識=日本人の“心(ココロ)”」という言葉に置き換えて定義。
 1)IT化 2)グローバル化 3)景気低迷 4)少子化 4)地域コミュニティの弱体化といった環境の変化により、現在は崩壊しつつある日本人らしい「ココロ」を取り戻すための提案と具体的な展開方法について説明があった。
 日本人の良き常識を取り戻すためには、「協働」という経験を積むことが大切ではないかと考える。
 こうした経験を積むために、「1:小・中学校の教育プログラムに導入する」「2:匿名コミュニケーションの管理強化」「3:お手本となる大人の教育」といった具体的な実施項目に落としこむというプレゼンを行った。

■Dグループ
 Dグループは唯一男性のみ、そして20〜40代までの各世代が集まったチームでした。そうした特性を活かして、主に「ビジネスとコミュニケーション」に焦点を絞ったプレゼンを行いました。
 

 まず「ビジネス」に焦点をあて、1960年代から現在まで、年功序列・終身雇用の時代から、転職・能力主義・リストラの時代へと移り変わる様を振り返り、現在抱える問題は現代の企業忠誠心の欠如や不信感につながっていると主張した。
 次に「コミュニケーション」に焦点を当てて、各時代のコミュニケーション・ツールの移り変わりを振り返った。
 昔は固定電話のようにお互いのペースでゆっくりと丁寧な関係を築くことができたが、ポケベルやケータイのように、いつでもどこでも相手を呼び出せるツールに移り変わり、さらに現在はSNSのような一方的な情報発信へと移り変わっている。
 このような時代の移り変わりの中で、直接会って話すということが減少しており、それが起因してうつ病やいじめ、ニートなどの原因の一部になっているのではないかと推察した。
 これからは「顔を合わせて心の通ったコミュニケーションをとること」が理想的な形であり、SNSのようなツールは、コミュニケーション・ツールではなく、コミュニケーションを促進するためのツールとして活用するということが挙げられた。
 プレゼン全体を締めくくりでは、新しい日本人の常識を表す「和~2.0~」というキーワードとロゴが発表された。

各チームの発表が終了すると、最後に中西先生から、「このテーマは難しいと思ったが、皆さんのアプローチとプレゼンがすごく良かった。」と総評と各チームに対するコメントが述べられました。
また、プレゼンの手法に関しても、「論理の組み立て方やプレゼンはとても素晴らしかった。しかし、さらに実現に向けた手法を盛りこんでほしかった。」「全体のどの部分を話しているのかを聞き手に分からせる工夫が必要。」とのアドバイスがありました。
 
中西先生の総評の間、事務局では受講者のチーム評価を集計し、本日の講義内で優勝チームの発表も行われました。
受講者の点数を総合したものに対して、最後は中西先生の得点が加算され、見事優勝したのはBチームのみなさん!

 何と各チームの点が1点差という僅差の中、プレゼン内容が高く評価されたことはもちろん、併せて配布されたパンフレットによって全体と部分が分かりやすく説明されていたことが評価されました。優勝チームには中西先生のサイン付き著書のプレゼントもありました。
 
プレゼンテーションの終了後は同じ会場にて立食形式の簡単な交流会を開始しました。中西先生が現在手がけられている新しいプロジェクトの事例を説明してくださるなど、各チームともに和やかな雰囲気で行われました。
 
また懇親会後も有志が集って2次会へ! ざっくばらんとした雰囲気の中、中西先生を囲む会を開催しました。普段なかなか聞くことのできない質問をお聞きしたり、講義でお話しされていた事例を深くお話しいただいたり・・・
普段はなかなか交流できない他チームのメンバーとも交流を深め、0時頃にお開きとなりました。

 
今回は中間発表会という位置づけでのプレゼンテーションでしたが、来年(2013年)の2月には講義全体の集大成となる最終発表会が開催されます。
仕事をする中で、会社の関係を飛び越えた横のつながりを構築することは簡単ではありません。
梅田MAGの経営戦略セミナーでは、会社も担当する業務内容も異なる受講者がチームとなって講義に取り組むことで、普段は得ることのできない絆を得られるカリキュラムとなっています。
中西先生が担当する『戦略経営デザイン論講座』は、1年制の会員専用講座となっておりますが、春と秋に開催される公開講座では、誰でも参加が可能なオープンセミナー形式となっています。
2012年最後の公開講座は、2012年10月5日(金)に開催されます。
CIデザインの巨匠、中西先生の講義を体験してみたい方は、ぜひ公開講座にご参加ください!
※大変人気の講義となっておりますため、ご希望の方はお早めにお申し込みください。
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